惚れ直したぜ!:島国スタウト
2017年1月からの新シリーズ「Falling in Love Again ~惚れ直したぜ!シリーズ」を行います!毎月1種類の定番ビールを紹介し、面白いトリビアやストーリーを公開します。
今月のビールは【島国スタウト】です!

島国スタウト
3月はアイルランドにキリスト教を広めた聖人・聖パトリックの命日(3月17日)を祝う聖パトリックスデイ(St Patrick’s Day)がある月。そしてアイルランドを象徴するビールと言えば、ギネスで有名なアイリッシュドライスタウトです。それにちなんで、3月は島国スタウトをご紹介します。
ベアードビールの定番ビールは、12種類あります。ラガーしか知らない多くのビールファンへ、ビールの多様性を知って欲しいからです。そして、酵母もラガー、エール、ベルギーウィットと3種類を使用し、ビールの世界の奥深さを表現しています。定番の中に、ポーターとスタウトの黒ビールが2種類あることも、最初は驚かれました。もともとポーターが定番としてあったのですが、黒ビールの世界は実に幅が広く、スタイルも多種多様なので、ポーターとはまた個性の違うスタウトを定番に加えたのです。
両国の代表的なスタウト
「黒ビール」ときくと、 黒さと強さが比例していると考えがちですが、実は 必ずしもそうではないのです。 ベアードの島国スタウトのようなアイリッシュドライスタウトは、深く焙煎されたモルトから生まれる強い風味を持ちながらも、 アルコール度数は軽く穏やか。 黒ビールの中で最もバランスのとれた飲み飽きないスタイルです。その他に、ベアードでは季節限定でいろいろなスタウトを造ってきました。例えば、寒い時期にゆっくりと飲みたいインペリアルスタウト、乳糖を加えたミルクスタウト、コーヒー豆を加えたコーヒースタウト、辛い唐辛子ハバネロを加えたハバネロスタウト、地元のいちごを加えたストロベリーミルクスタウトなど。このようにブルワーの腕と創造力があれば、いろいろなフレーバーを楽しむことができる素晴らしいスタイルです。
そして、ラベルについてのうんちく話。日本人は、よく自分たちの国を島国だと言っていますが、アイルランド人も同じです。そして、アイルランドを象徴するビールがこのスタウト。島国スタウトのラベルには、日本とアイルランドが橋でつながっています。この橋は、歴史の中で受け継がれてきた島国国家としての誇り高い意識と、卓越したスタウトビールで新たに結ばれた絆、その両方が描かれています。良く見ると、橋の欄干がビールのボトルになっているのに、気づきましたか?これはラベルデザイナー・栄子さんの遊び心から生まれています。
橋の欄干
このように、ベアードビールは、すべてにストーリーがあります。パーソナルなこと、歴史的なこと、スタイルのこと、いろいろなストーリーに思いを馳せながら造られています。皆さんにも、自分の体験と合わせながら、楽しんでいただけたら幸いです。
多くの皆様に、この新しいシリーズを楽しんでいただき、定番ビールに「惚れ直したぜ!」と言っていただけることを願っています。乾杯!
ベアードさゆり